私が、他の施設で介護職デビューした日のお話です。
知人から「お年寄りの話し相手とお茶出し」と聞いて、あるデイサービスでパート職員として働くことになりました。
初日、介護のお仕事をするつもりのなかった無知で未経験の私に職員さんが「じゃ、トイレ誘導手伝ってくれる?僕が支えるからパンツおろしてね。」
えっ、えっ、え~っ!!!
考える間もなく「1、2の3、はいおろして」と同時にパンツをおろすと右手に
シャーッと生温かい衝撃が…
無理だムリだ。話が違う、出来ない、絶対無理。帰る時にできないから辞めると言おうと心の中で決めていました。すると、私の隣にいたおじいさんがじーっと私の事を見ています。このおじいさんは認知症で魚釣りゲームをしたら釣れたおもちゃの魚を食べようとするし、自分の部分入れ歯を箸でつかんでまたまた食べようとするし、となかなか目の離せない方でした。
「けっぱれ」
「えっ?」
「けっぱれ」と言いニカッと笑うと正面を向き無表情になりました。
ああ、なんか見透かされている…
すごいなぁと不思議な感情がわいてきたのを覚えています。
1日で辞めないでもう少しやってみようと思い直してから早8年。
泣いたり笑ったり、怒ったり笑ったりと介護職を続けて資格も取得しました。
今現在は生活相談員としてお仕事をさせていただいています。
人の言葉ってすごいと思う今日この頃。けっぱれの一言で続けられている自分が単純なのか…
占いによると私は80歳まで仕事をして110歳まで生きるそうです。
よし、あと30年けっぱるぞ(歳がばれてしまった)
そして110歳までの余生は緑風園でお世話になろうかな(笑)